介護福祉士国家試験の受験資格【7区分・実務経験3年の数え方】
「働きながら3年経ったけれど、自分は受けられるの?」――介護福祉士国家試験でいちばん多い疑問です。受験資格は7つの区分に分かれ、実務経験ルートでは「従業期間」と「従事日数」の両方を満たす必要があります。公益財団法人 社会福祉振興・試験センターの『第39回 受験の手引』と厚生労働省の資料をもとに、数え方の実務までまとめました。
最終更新:2026年7月29日
1受験資格は7つの区分に分かれます
| 区分 | ルート | 要件 |
|---|---|---|
| 区分1 | 養成施設ルート | 介護福祉士養成施設を卒業(または委託訓練を修了) |
| 区分2 | 実務経験ルート | 3年以上介護等の業務に従事(従業期間1,095日以上かつ従事日数540日以上)+実務者研修修了 |
| 区分3 | 実務経験ルート | 同上の実務経験+介護職員基礎研修修了+喀痰吸引等研修修了 |
| 区分4 | 福祉系高校ルート | 福祉系高校(専攻科を含む)に平成21年度以降に入学し卒業 |
| 区分5 | 福祉系高校ルート | 特例高校(専攻科を含む)を卒業+実務経験9か月以上(従業期間273日以上かつ従事日数135日以上) |
| 区分6 | 福祉系高校ルート | 福祉系高校(専攻科を含む)に平成20年度以前に入学し、改正前の規則に定める科目・単位を修めて卒業 |
| 区分7 | EPAルート | EPA(経済連携協定)介護福祉士候補者として3年以上介護等の業務に従事 |
出典:試験センター『第39回介護福祉士国家試験 受験の手引』(一部抜粋版・PDF)18ページ「受験資格と受験資格区分」/同「受験資格」
2「従業期間」と「従事日数」――両方を満たす必要があります
実務経験ルートでいちばん誤解が多いのがここです。3年=1,095日という数字だけを見て「もう3年働いたから大丈夫」と考えると、足りないことがあります。
| 用語 | 意味 | 必要な日数(区分2・3) |
|---|---|---|
| 従業期間 | 対象となる施設(事業)・職種で在職した期間。産休・育休・病休などの休職期間も含みます | 1,095日以上(3年以上) |
| 従事日数 | 従業期間のうち、実際に介護等の業務に従事した日数(出勤日数)。休暇・欠勤・出張・研修などで介護業務に従事しなかった日は含みません | 540日以上 |
試験センターのQ&Aにも「『従業期間』と『従事日数』の両方を満たす必要があります」と明記されています。週2〜3日勤務の場合、在職3年でも従事日数540日に届かないことがあります(週3日勤務なら年間約156日で、3年でおよそ468日)。ご自身の出勤日数を先に数えてみてください。
出典:『第39回 受験の手引』26ページ「実務経験に関するよくあるご質問」
3数え方のQ&A(試験センターの公式回答より)
夜勤は1日?2日?
「事業所の雇用、就業規程に基づいて、計算していただいて結構です。1日の勤務時間は問いません。」――夜勤明けを2日と数えるかどうかは、勤務先の規程によります。
パート・アルバイトでも対象になりますか?
「対象となる『職種』で雇用されていれば、非常勤(パート、アルバイト)でも対象です。」――雇用形態による制限はありません。
職場を変わった場合は合算できますか?
「A、B、Cにおいて対象となる『施設(事業)』『職種』で雇用されていれば、『従業期間』『従事日数』はすべて合算できます。」――転職・異動をまたいでの通算が可能です。
同じ日に2つの事業所で働いた場合は?
「同じ日に複数の事業所で介護等の業務を行なった場合、『従業期間』『従事日数』は1日として扱います。」――掛け持ちで2日分にはなりません。なお同じ期間に複数事業所に所属している場合は、実務経験証明書に加えて「従事日数内訳証明書」の提出が必要です。
今は介護の仕事をしていません。過去の経験は使えますか?
「過去に対象となる『施設(事業)』『職種』で雇用されていれば、有効です。」――現在就業中である必要はありません。
10年働きました。10年分の証明が必要ですか?
「実務経験に必要な期間(従業期間3年以上(1,095日以上)かつ従事日数540日以上)の証明があれば結構です。」――必要な分だけの証明で足ります。複数の職場を渡り歩いた方は、証明を取りやすい職場だけで要件を満たせないか確認してみてください。
勤務先が廃業していて証明書がもらえません
『受験の手引』に「廃業した施設・事業所等の実務経験について(自己申告)」の様式が用意されています。まずは試験センターに相談してください。
出典:『第39回 受験の手引』26〜27ページ(実務経験・実務経験証明書・従事日数内訳証明書のQ&A)、48ページ(廃業した施設・事業所等の実務経験)
4「まだ足りない」人も申し込めます(見込み受験)
受験申込みの時点で要件を満たしていなくても、試験実施年度の3月31日までに満たす見込みであれば申し込めます。第39回では次のとおりです。
| 区分 | 令和9年3月31日までに満たす見込みでよいもの |
|---|---|
| 区分1・区分4 | 養成施設・福祉系高校を卒業(修了)する見込み |
| 区分2 | 実務者研修を修了する見込み |
| 区分3 | 喀痰吸引等研修を修了する見込み |
| 区分2・3・5・7 | 必要な実務経験(従業期間・従事日数)を満たす見込み |
出典:『第39回 受験の手引』18ページ・裏表紙「重要(書類提出期限)」
5実務者研修は、いつまでに終えればいい?
区分2で受験する場合、実務者研修の修了が必須です。ただし前述のとおり、令和9年3月31日までに修了する見込みであれば、修了前でも申し込めます(申込時は「実務者研修修了見込証明書」を提出し、修了後に修了証明書を再提出します)。
この「実務者研修の修了が必要」という要件は、平成28年度(第29回試験)から適用されているものです。厚生労働省の資料では、平成19年の法改正で導入が決まり、平成24年度(第25回)からの予定が2度延期されて第29回からの適用になった経緯が説明されています。実際、第29回の受験者数は前回の152,573人から76,323人へ半減し、合格率は57.9%から72.1%へ跳ね上がりました(合格率のページで推移を掲載しています)。
出典:厚生労働省「介護福祉士国家試験に関する参考資料」(第1回介護福祉士国家試験パート合格の導入に関する検討会 参考資料1-1)/試験センター「受験資格:実務経験+実務者研修」
6養成施設ルートの「5年間の経過措置」
養成施設(区分1)は、以前は卒業すれば国家試験なしで介護福祉士になれました。平成29年度からは養成施設卒業者にも国家試験の合格が必要になりましたが、いきなり切り替えるのではなく経過措置が置かれています。
その5年の間に①国家試験に合格するか、②卒業した年度の翌年度の4月1日から5年間続けて介護等の業務に従事するかのいずれかを満たせば、5年経過後も介護福祉士の登録を継続できます。
『受験の手引』の資格取得ルート図にも、区分1について「令和8年度末(2027年3月31日)までに卒業する場合、卒業後5年の間は、試験を受験しなくても、または、合格しなくても介護福祉士に登録することができます」と注記されています。
なお、養成施設ルートの合格率は第30回88.0%から第38回58.8%まで下がり続けています。受験が必須ではない期間が続いていることと無関係ではない可能性がありますが、経過措置の対象は令和8年度末までの卒業者に限られる点は押さえておきたいところです。
出典:試験センター「介護福祉士経過措置登録の手続きについて」/『第39回 受験の手引』資格取得ルート図/厚生労働省「介護福祉士国家試験に関する参考資料」
7申込みで提出する証明書(区分別)
| 区分 | 受験資格を証する証明書 |
|---|---|
| 区分1 | 卒業(見込)証明書 または 委託訓練修了(見込)証明書 |
| 区分2 | 実務経験(見込)証明書 + 実務者研修修了(見込)証明書 |
| 区分3 | 実務経験(見込)証明書 + 介護職員基礎研修修了証明書の写し + 認定特定行為業務従事者認定証/喀痰吸引等研修修了証明書の写し |
| 区分4 | 卒業(見込)証明書 |
| 区分5 | 卒業(見込)証明書 + 実務経験(見込)証明書 |
| 区分6 | 卒業証明書・教科目(科目)及び単位履修証明書 |
| 区分7 | 実務経験(見込)証明書 + 在留カードまたはパスポート |
- 実務経験証明書は、受験者本人ではなく勤務先(事業所)が作成する書類です。試験センターのサイトに事業所向けの作成支援ツールがあるので、依頼時にあわせて案内するとスムーズです。
- 同じ期間に複数の事業所に所属している場合は、従事日数内訳証明書も必要です。
- 押印は不要で、訂正は二重線(訂正印不要)。ただし訂正は本人ではなく法人・事業所の判断で行います。
- 過去に受験資格を満たす証明書を提出済みの方は、再提出は不要です(過去の受験票または結果通知に記載の試験回・受験番号が必要)。
- 申込者と証明書の氏名が異なる場合は、戸籍の個人事項証明書(戸籍抄本)を添えます。
出典:試験センター「令和8年度 第39回介護福祉士国家試験」(受験申し込みに必要なもの)/『第39回 受験の手引』1ページ・27〜28ページ
8受験資格を確かめたら、次は中身の準備
介護福祉士国家試験対策アプリ「カイゴトール」を開発・運営しています。アプリ内には受験資格ルートチェッカーもあり、質問に答えるだけで自分がどの区分になりそうかを確認できます。
- 受験資格ルートチェッカー――7区分のどれに当てはまるかを対話形式で確認
- オリジナル問題875問(13科目を網羅)/本試験と同じ125問の本番形式模擬試験
- 11科目群の「0点なし」判定と、科目群別の弱点分析
- パート合格制度に対応――合格済みパートを記録すると、残りのパートだけに絞って出題できます
- ふりがな表示――ワンタップで画面全体の漢字にふりがなを付けられます
- 買い切り制(¥980・追加課金なし)/無料枠あり
9あわせて読みたい
出典・参考にした公式発表
- 公益財団法人社会福祉振興・試験センター『第39回介護福祉士国家試験 受験の手引』(一部抜粋版・PDF)――受験資格7区分、実務経験の範囲とQ&A、見込み受験、提出書類、書類提出期限
- 試験センター「受験資格」/同「実務経験+実務者研修」/同「実務経験の範囲」
- 試験センター「令和8年度 第39回介護福祉士国家試験」――申込みに必要なもの、受験資格(概要)
- 試験センター「介護福祉士経過措置登録の手続きについて」――平成29年4月1日〜令和9年3月31日の卒業者に対する5年間の経過措置
- 厚生労働省「介護福祉士国家試験に関する参考資料」(PDF)――資格取得ルート、実務者研修義務化の経緯、ルート別の受験者数・合格率の推移
受験資格の該当・非該当は、施設や職種によって個別の判断が必要です。判断に迷う場合は試験センター(03-3486-7521・平日9時30分〜17時)にご確認ください。
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