介護福祉士国家試験の練習問題20問【無料・全問解説つき】

介護福祉士の一問一答を20問そろえました。すべてに解説をつけています。答えは各問の「答えと解説を見る」を押すとその場で開きます。

最終更新:2026年8月9日

ご利用にあたって:本ページおよびアプリ「カイゴトール」は、政府・試験実施機関のいずれとも関係のない、個人開発の非公式サイト・アプリです。 掲載しているのは過去問ではなく、公的機関の公表資料をもとに当方が作成したオリジナル問題です。 実際の試験の出題内容・形式・基準は、必ず試験実施機関の公式発表をご確認ください。

この20問について

  1. アプリに収録している問題からの見本です。アプリ本体には、同じ形式の問題を科目ごとにひととおり収録しています。
  2. 科目がかたよらないように選んでいます(各科目の先頭から順ぐりに取得)。得意・不得意のあたりをつける用途に向いています。
  3. 解説は「なぜ他の肢が違うのか」まで書いています。1問で複数の論点を回収できるようにするためです。

問1こころとからだのしくみ

血圧に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 心臓が収縮して血液を送り出すときの血圧を収縮期血圧(最高血圧)という
  2. 心臓が収縮するときの血圧を拡張期血圧(最低血圧)といい、収縮期血圧より高い数値を示す
  3. 血圧は自律神経の働きにより一日を通じて一定に保たれ、日内変動や活動による変動は生じない
  4. 血圧は加齢に伴い収縮期血圧・拡張期血圧とも一様に低下し続ける
  5. 血圧は体位を変えても自律神経が瞬時に調整するため変化することはない
答えと解説を見る

正解:1

心臓が収縮して血液を送り出すときの血圧を収縮期血圧(最高血圧)、心臓が拡張するときの血圧を拡張期血圧(最低血圧)という。血圧は日内変動や体位、加齢などにより変化する。

  • 1:正しい。収縮期の血圧を最高血圧という
  • 2:誤り。拡張期血圧は心臓が拡張するときの血圧であり、収縮期血圧より高くなることはない
  • 3:誤り。血圧は日内変動や活動状況、自律神経の影響により変動する
  • 4:誤り。加齢に伴い収縮期血圧はむしろ上昇する傾向がある
  • 5:誤り。起立性低血圧のように体位変換により血圧は変化する

問2コミュニケーション技術

利用者とのコミュニケーションにおける「傾聴」に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 傾聴とは、利用者の話に真摯に耳を傾け、相手の気持ちや考えを受け止めながら理解しようとする姿勢である。
  2. 傾聴とは、利用者の話を聞きながら、介護福祉士自身の価値観に基づく意見や評価、助言を積極的かつ率直に相手へ伝えていくことをいう。
  3. 傾聴を行う際は、限られた面接時間を有効に使うため、利用者の話の要点を要約したり相づちを打ったりせず、早く聞き終えることを優先すべきである。
  4. 傾聴では、利用者の発言内容が介護福祉士自身の価値観や経験に照らして誤っていると感じられる場合、その場で直ちに訂正し正しい認識に改めさせることが求められる。
  5. 傾聴は言語による発言内容にのみ適用される技法であり、利用者が言葉を発しない沈黙の場面においては、傾聴の技法を用いる意味を持たない。
答えと解説を見る

正解:1

傾聴は相手の話を評価・批判せずに受け止め、共感的に理解しようとする姿勢であり、対人援助の基本技術の一つである。

  • 1:正しい。
  • 2:誤り。傾聴の場面では自分の意見を優先的に伝えるのではなく、相手の話を受け止めることが中心となる。
  • 3:誤り。要約や相づちを適切に用いることで理解を深めることが重要である。
  • 4:誤り。受容の姿勢を基本とし、価値観の違いを直ちに否定・訂正することは適切でない。
  • 5:誤り。沈黙も相手の感情の表れであり、傾聴の対象として意味を持つ。

出典の該当箇所:対人援助における傾聴・受容・共感の基本技術

問3人間の尊厳と自立

日本国憲法が定める基本的人権に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 日本国憲法第25条は、すべて国民が個人として尊重され、生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利について、立法その他の国政の上で最大の尊重を必要とする旨を規定しており、介護実践における自己決定尊重の直接の根拠となる。
  2. 日本国憲法第13条は、すべて国民が健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有し、国はその実現のためにあらゆる生活部面について社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない旨を規定している。
  3. 日本国憲法第13条は、すべて国民が個人として尊重され、生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利について、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で最大の尊重を必要とする旨を規定している。
  4. 日本国憲法第14条は、国が社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならないと定めるとともに、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により政治的、経済的又は社会的関係において差別されない旨も併せて規定している。
  5. 日本国憲法第11条は、国民に保障される基本的人権は国が時々の政策判断によって国民に付与する恩恵であり、公共の福祉に反する場合は国会の議決により将来にわたり広く制限し得る旨を規定している。
答えと解説を見る

正解:3

個人の尊重と幸福追求権を定めるのは憲法第13条であり、介護福祉の理念である利用者主体・自己決定の尊重の根拠とされる。

  • 1:個人の尊重・幸福追求権を規定するのは第25条ではなく第13条であり、条数と内容の対応が誤っている。
  • 2:健康で文化的な最低限度の生活を営む権利(生存権)とその実現に向けた国の努力義務を規定するのは第13条ではなく第25条であり、条数の対応が誤っている。
  • 3:第13条の内容として正しい。個人の尊重と幸福追求権を定め、公共の福祉による制約のみを認めている。
  • 4:社会福祉等の向上・増進に対する国の努力義務を規定するのは第14条(法の下の平等)ではなく第25条第2項であり、第14条は差別されない旨を定める条文である。
  • 5:第11条は基本的人権を「侵すことのできない永久の権利」として現在及び将来の国民に保障しており、恩恵として制限できるとする内容ではない。

出典の該当箇所:日本国憲法第13条・第25条

問4人間関係とコミュニケーション

バイスティックの7原則に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 「個別化の原則」とは、利用者が抱える生活課題を統計的に多い典型パターンに分類し、同じ分類に該当する利用者には性別や生活歴の違いにかかわらず同一の支援計画をあらかじめ適用することをいう。
  2. 「意図的な感情表出の原則」とは、援助者が自らの喜怒哀楽をありのままに利用者へ伝え、援助者側の感情表現を優先することで、利用者との間に対等な立場での信頼関係を築くことをいう。
  3. 「統制された情緒的関与の原則」とは、援助者が利用者の感情に呑み込まれることなく、自分の感情を自覚的にコントロールしながら関わることをいう。
  4. 「非審判的態度の原則」とは、援助者が専門的知識に基づいて利用者の行動や生活態度の善悪を判定し、その評価結果を利用者本人に明確に伝えて反省を促すことをいう。
  5. 「秘密保持の原則」とは、援助者が業務上知り得た利用者に関する情報を、援助チーム内の他職種や記録上であっても共有してはならず、単独で全てを抱え込まなければならないという原則である。
答えと解説を見る

正解:3

統制された情緒的関与の原則は、援助者が利用者の感情に巻き込まれず、自らの感情を自覚的にコントロールして関わることを意味する。

  • 1:個別化の原則は、利用者を一般化・類型化せず、一人ひとりを異なる存在として理解し個別に対応することを意味しており、パターン分類して同一対応することとは逆の内容である。
  • 2:意図的な感情表出は、援助者ではなく利用者が肯定的・否定的感情を自由に表現できるよう、援助者が意図的・意識的に配慮し促すことを意味する。
  • 3:統制された情緒的関与の原則の内容として正しい。
  • 4:非審判的態度の原則は、援助者が利用者の言動や考えを一方的に善悪で裁くことなく受け止めることを意味しており、善悪を判定し伝えることとは逆の内容である。
  • 5:秘密保持の原則は絶対的なものではなく、援助チーム内での必要な情報共有など、専門的援助関係の中での適切な取扱いを前提としている。

出典の該当箇所:バイスティックの7原則(対人援助技術の基礎理論)

問5介護の基本

社会福祉士及び介護福祉士法における介護福祉士の定義に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 専門的知識及び技術をもって、心身の状況に応じた介護を行い、本人及び介護者に介護に関する指導を行うことを業とする者である。
  2. 医師の指示や一定の研修修了といった要件を満たすことなく、その専門的裁量のみによってあらゆる医療行為を単独で実施することができる国家資格である。
  3. 厚生労働大臣ではなく都道府県知事の免許を受けて登録される資格であり、名称独占ではなく業務独占の資格として法律上位置づけられている。
  4. 介護保険法(平成9年法律第123号)に基づいて創設された資格であり、社会福祉士及び介護福祉士法とは制度上まったく別個の関係にある資格である。
  5. 5年ごとに国家試験を再受験し、合格しなければ資格の登録が抹消され失効するという更新制度が法律上定められている。
答えと解説を見る

正解:1

社会福祉士及び介護福祉士法第2条第2項の定義のとおり、介護福祉士は専門的知識・技術をもって心身の状況に応じた介護を行い、本人及び介護者への指導を業とする者である。

  • 1:正しい。第2条第2項の定義のとおりである。
  • 2:誤り。喀痰吸引等の一部医行為は、医師の指示の下で一定の研修を修了した場合に限られ、裁量ですべての医療行為を行えるわけではない。
  • 3:誤り。介護福祉士は登録制の名称独占資格であり、業務独占資格ではない。また登録は都道府県知事ではなく厚生労働大臣が管轄する仕組みである。
  • 4:誤り。社会福祉士及び介護福祉士法(昭和62年法律第30号)に基づく資格であり、介護保険法に基づく資格ではない。
  • 5:誤り。介護福祉士に更新制度はなく、国家試験の再受験義務もない。

出典の該当箇所:社会福祉士及び介護福祉士法第2条第2項

問6介護過程

介護過程の意義に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 介護過程とは、介護福祉士が長年の実務で培った経験や勘のみに基づき、情報収集や記録といった手続きを経ずに支援内容をその場で決定していく方法をいう。
  2. 介護過程とは、利用者の生活課題を明らかにし、根拠に基づいた計画的な支援を行うための一連の思考と実践のプロセスをいう。
  3. 介護過程は、アセスメントに基づき一度計画を作成した後は、利用者の状態が変化した場合であっても内容を見直す必要のない固定的な手順として運用される。
  4. 介護過程は、医師が患者の治療方針として作成する診療計画と法律上同一のものと位置づけられており、介護福祉士がその作成に関与する余地は認められていない。
  5. 介護過程は、利用者本人の意向を反映させる仕組みを持たず、専ら家族が示す要望のみに基づいて支援内容を組み立てていく思考プロセスである。
答えと解説を見る

正解:2

介護過程は利用者の生活全体を科学的根拠に基づいて捉え、計画的・組織的に支援を展開するための思考プロセスである。

  • 1:誤り。経験や勘のみではなく、情報収集と分析に基づく根拠ある判断が求められる。
  • 2:正しい。
  • 3:誤り。介護過程は評価に基づき継続的に見直される循環的なプロセスである。
  • 4:誤り。診療計画とは別に、介護福祉士等が中心となって作成する介護に関する計画である。
  • 5:誤り。利用者本人の意向を中心に据え、家族の意見も参考にしながら進める。

出典の該当箇所:介護過程の意義と目的

問7医療的ケア

2012年(平成24年)施行の社会福祉士及び介護福祉士法の一部改正により、介護福祉士等が一定の研修を修了し、都道府県知事等の認定を受けた場合に実施できるようになったこととして、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 医師の指示がなくても、本人や家族の同意のみで喀痰吸引や経管栄養を独自に実施できるようになった
  2. 医師の指示の下、喀痰吸引(口腔内・鼻腔内・気管カニューレ内部)及び経管栄養(胃ろう・腸ろう・経鼻経管栄養)を実施できるようになった
  3. 医師に代わって、栄養剤の種類や投与量、投与速度を医学的に判断し決定できるようになった
  4. インスリン注射や点滴を含む、あらゆる注射行為を医師の指示なく実施できるようになった
  5. 気管切開の処置や気管カニューレの交換そのものを医師に代わって行えるようになった
答えと解説を見る

正解:2

2012年施行の社会福祉士及び介護福祉士法の一部改正により、一定の研修を修了し認定を受けた介護福祉士等(認定特定行為業務従事者)は、医師の指示の下、喀痰吸引(口腔内・鼻腔内・気管カニューレ内部)と経管栄養(胃ろう・腸ろう・経鼻経管栄養)に限り実施できることとなった。

  • 1:誤り。医師の指示なしに実施することは認められておらず、必ず医師の指示書に基づいて実施する必要がある
  • 2:正しい。対象となる行為は喀痰吸引3行為・経管栄養3行為に限定され、医師の指示の下でのみ実施できる
  • 3:誤り。栄養剤の種類・量の決定は医師の医学的判断であり、介護福祉士が代わりに決定することはできない
  • 4:誤り。注射行為は認定特定行為業務従事者の実施範囲に含まれておらず、実施できない
  • 5:誤り。気管切開そのものは医師による外科的処置であり、介護福祉士が行うことはできない

出典の該当箇所:社会福祉士及び介護福祉士法附則(平成23年改正)

問8生活支援技術

住宅改修における手すりの設置に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 廊下の手すりは、利用者本人の身長や上肢の可動域といった身体状況にかかわらず、施設や住宅ごとに定められた同一の高さに統一して設置することが基準である。
  2. トイレの手すりは、立ち座り動作を補助しやすいよう便器の横に縦手すりを設置することが多く、利用者の状態にかかわらず一律の位置とはしない。
  3. 階段の手すりは、利用者が昇る際に利き手となる側にのみ設置しなければならないと、住宅改修に関する法律において一律に定められている。
  4. 浴室の手すりは、滑りにくさを確保する観点から、水に濡れても腐食しない樹脂被覆の金属製ではなく、天然木を用いた木製のものを使用しなければならない。
  5. 手すりの設置位置は、実際に使用する利用者本人や家族の生活動線に関する意向を確認することなく、住環境の専門職の判断のみによって一方的に決定される。
答えと解説を見る

正解:2

トイレの手すりは、立ち座りや方向転換の動作を補助するために便器の横に縦型の手すりを設置することが一般的であり、設置位置や種類は利用者の身体状況や動作特性に応じて個別に検討する必要がある。

  • 1:手すりの高さは利用者の身長や動作能力に合わせて個別に調整するべきであり、一律に統一するものではない。
  • 2:適切。トイレでの立ち座り動作には、便器の横に設置する縦手すりが有効とされる。
  • 3:階段の手すりの設置側に関する法律上の一律の定めはなく、利用者の状態に応じて検討する。
  • 4:浴室の手すりは水濡れに強く滑りにくい素材(樹脂被覆の金属製等)が広く用いられ、木製に限定されない。
  • 5:住宅改修は本人・家族の意向を踏まえ、専門職と共に検討して決定することが重要である。

問9発達と老化の理解

エリクソンの心理社会的発達理論において、老年期の発達課題として適切なものを1つ選びなさい。

  1. 自律性の獲得
  2. 親密性の獲得
  3. 自我の統合
  4. 勤勉性の獲得
  5. アイデンティティの確立
答えと解説を見る

正解:3

エリクソンは生涯を8段階に区分し、老年期の心理社会的課題を「自我の統合」対「絶望」とした。それまでの人生を振り返り、意味あるものとして受け入れることが課題となる。

  • 1:自律性の獲得は幼児期初期の課題である
  • 2:親密性の獲得は前成人期(成人初期)の課題である
  • 3:正しい。老年期は自我の統合対絶望が課題とされる
  • 4:勤勉性の獲得は学童期の課題である
  • 5:アイデンティティの確立は青年期の課題である

問10社会の理解

我が国の社会保障制度に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 社会保険は、加入者の保険料負担を伴わず、国及び地方公共団体が徴収する公費(税)のみを財源として給付を行う仕組みである。
  2. 生活保護は、あらかじめ本人が保険料を納付していることを受給要件とする社会保険方式の制度であり、保険料を納めていない者は原則として給付を受けられない。
  3. 社会保険は、あらかじめ保険料を拠出することを基本とし、疾病、老齢、介護、失業などのリスクに備える仕組みである。
  4. 社会福祉は、加入者が拠出した保険料の額や納付期間に比例して算定される現金給付を行うことを基本的な仕組みとする制度である。
  5. 公衆衛生は、個人が任意で加入契約を結び、保険料を継続的に納付することによって感染症予防等のサービスの給付を受けられる社会保険類似の制度である。
答えと解説を見る

正解:3

社会保険は、加入者があらかじめ保険料を拠出し、疾病・老齢・介護・失業などのリスクに備えて給付を行う仕組みであり、介護保険や医療保険がこれにあたる。

  • 1:社会保険は保険料の拠出を基本とする仕組みであり、公費のみで運営されるものではない。
  • 2:生活保護は保険料の拠出を前提としない公的扶助(社会扶助)であり、資力調査に基づき必要な者に給付される。
  • 3:社会保険の説明として正しい。
  • 4:社会福祉は主に対人サービス(現物給付)を中心とする制度であり、保険料拠出に応じた現金給付を基本とするものではない。
  • 5:公衆衛生は国や自治体が公費で実施する予防的な保健施策であり、個人の任意加入や保険料拠出を前提とする制度ではない。

出典の該当箇所:社会保障制度の分類(社会保険・社会福祉・公的扶助・公衆衛生)

問11総合問題

Aさんの在宅生活を継続するために、火の消し忘れへの対応として訪問介護員が行う支援として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 火を使う不安を解消するため、Aさんの意思を確認せず、ガスの元栓を常時閉め、調理を全面的に禁止する
  2. IH調理器への変更や自動消火機能付きコンロの導入等の環境面の工夫を検討し、Aさんや長男と相談しながら、本人の役割や生活歴を尊重した支援を行う
  3. 認知症が進行しているため、Aさんの意向を聞かずに直ちに施設入所の手続きを介護福祉職の判断で進める
  4. 物盗られ妄想への対応として、通帳の存在をAさんに知らせずに訪問介護員が自宅の外に持ち出して保管する
  5. 火の不始末が心配なため、日中も含めて台所に鍵をかけ、Aさんが台所に入れないよう行動を制限する
答えと解説を見る

正解:2

認知症があっても、本人の役割や生活歴(調理を続けたい思い等)を尊重しつつ、IH化や自動消火装置等の環境調整によって安全に配慮した支援を、本人・家族と話し合いながら進めることが適切である。

  • 1:誤り。本人の意思を確認せず一方的に調理を禁止することは、本人の生活の自由と尊厳を損なう対応である
  • 2:正しい。環境調整と本人の意思を尊重した支援を組み合わせることが、自立支援と安全確保を両立させる
  • 3:誤り。本人の意向を確認せずに施設入所を進めることは、自己決定の尊重に反する
  • 4:誤り。本人に無断で通帳を持ち出すことは、財産管理上も本人との信頼関係の面でも不適切である
  • 5:誤り。台所を常時施錠することは行動の制限にあたり、本人の生活の自由を過度に制限する対応である

問12認知症の理解

次のうち、認知症の中核症状に分類されるものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 記憶障害
  2. 認知症の行動・心理症状(BPSD)としてみられる、目的や意図をもって歩き回る徘徊
  3. 将来への見通しが立たないことなどから生じる強い不安感の高まり
  4. 気分の落ち込みや意欲低下を特徴とする抑うつ状態の出現
  5. 実際には存在しないものが見えるという幻覚の出現
答えと解説を見る

正解:1

中核症状は脳の器質的な障害によって直接生じる症状で、記憶障害・見当識障害・失語・失行・失認・実行機能障害などが含まれる。徘徊・不安・抑うつ・幻覚はBPSD(行動・心理症状)に分類される。

  • 1:正しい。記憶障害は中核症状の代表例である
  • 2:徘徊はBPSD(行動症状)に分類される
  • 3:不安はBPSD(心理症状)に分類される
  • 4:抑うつはBPSD(心理症状)に分類される
  • 5:幻覚はBPSD(心理症状)に分類される

問13障害の理解

次のうち、障害者総合支援法における「障害支援区分」の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 障害の多様な特性その他の心身の状態に応じて必要とされる標準的な支援の度合いを総合的に示す区分であり、非該当と区分1から6までがある
  2. 身体障害者福祉法に基づいて都道府県知事等が交付する身体障害者手帳の等級区分をそのまま指す言葉であり、障害者総合支援法独自の区分ではない。
  3. 介護保険法における要介護認定と全く同一の調査項目・判定基準を用いて算定される区分であり、両制度は共通の仕組みとして運用されている。
  4. 障害の程度を、身体障害者手帳と同様に1級から3級までの3区分によって総合的に示す仕組みとして定められている。
  5. 精神保健福祉法に基づいて交付される精神障害者保健福祉手帳の等級をそのまま示す区分であり、他の障害種別には適用されない。
答えと解説を見る

正解:1

障害支援区分は、障害の多様な特性その他の心身の状態に応じて必要とされる標準的な支援の度合いを総合的に示すもので、非該当及び区分1から区分6までの7区分で構成される。

  • 1:正しい。非該当と区分1〜6の7区分で構成される
  • 2:身体障害者手帳の等級とは異なる仕組みである
  • 3:介護保険の要介護度とは判定項目・基準が異なる
  • 4:区分は1〜6と非該当であり、1〜3級の3区分ではない
  • 5:精神障害者保健福祉手帳の等級とは別の仕組みである

問14こころとからだのしくみ

成人の安静時の脈拍(心拍数)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 一般に1分間におよそ60〜80回程度である
  2. 一般に1分間におよそ200回以上が正常である
  3. 脈拍は体温や運動の影響を受けない
  4. 脈拍数は年齢に関わらず全く同じ値になる
  5. 脈拍は橈骨動脈では測定できない
答えと解説を見る

正解:1

成人の安静時脈拍数は一般に1分間およそ60〜80回程度とされる。発熱や運動により心拍数は増加し、橈骨動脈は脈拍測定の代表的な部位である。

  • 1:正しい。成人の安静時脈拍のおおよその目安である
  • 2:1分間200回以上は明らかな異常値である
  • 3:発熱時や運動時には脈拍数が増加する
  • 4:脈拍数は年齢や体格等により個人差がある
  • 5:橈骨動脈は脈拍測定の代表的な部位である

問15コミュニケーション技術

介護場面における非言語コミュニケーションに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 非言語コミュニケーションは、失語症など言語による意思疎通が困難な利用者に対してのみ用いられる、限定的な場面でのみ活用される特殊な技法である。
  2. 非言語コミュニケーションには表情、視線、姿勢、声のトーン、距離などが含まれ、言葉を交わさない場面でも常に相手へ情報が伝わっている。
  3. 非言語コミュニケーションの観点からは、介護福祉士自身の表情や態度が利用者の心理状態や信頼関係の形成に影響を及ぼすことはない。
  4. 非言語コミュニケーションには、絵カードや文字盤、写真といった視覚的な手段は含まれず、身体の動きや表情のみによって構成される概念である。
  5. 非言語コミュニケーションを用いる際は、利用者との信頼関係を深めるため、パーソナルスペースにかかわらず身体的な距離を最小限に保つことが望ましい。
答えと解説を見る

正解:2

非言語コミュニケーションは表情・視線・姿勢・ジェスチャー・声の調子・パーソナルスペースなど言語以外の情報伝達手段全般を指す。

  • 1:誤り。全ての利用者とのコミュニケーションにおいて重要な要素であり、特殊な技法に限定されない。
  • 2:正しい。
  • 3:誤り。介護福祉士の表情や態度は利用者の安心感や信頼関係に大きく影響する。
  • 4:誤り。絵カードや文字盤などの視覚的手段も非言語コミュニケーションに含まれる。
  • 5:誤り。パーソナルスペースには個人差があり、利用者の状態や関係性に応じて適切な距離をとる必要がある。

出典の該当箇所:非言語コミュニケーションの構成要素

問16人間の尊厳と自立

「社会福祉士及び介護福祉士法」における介護福祉士に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 介護福祉士は業務独占の資格であり、社会福祉士及び介護福祉士法に基づき、介護福祉士の登録を受けていない者が反復継続して介護の業務を行うことは同法により禁止され、罰則の対象ともなる。
  2. 介護福祉士は、その担当する者が個人の尊厳を保持し、自立した日常生活を営むことができるよう、常に、その者の立場に立って、誠実にその業務を行わなければならない。
  3. 介護福祉士でなくなった後は、その者が業務に従事していた期間に知り得た秘密について守秘義務が当然に消滅し、これを漏らしても社会福祉士及び介護福祉士法上の罰則の対象とはならない。
  4. 介護福祉士は、5年ごとに厚生労働大臣が指定する更新研修を受講し、その修了をもって登録を更新しなければ、資格が自動的に失効する制度が設けられている。
  5. 介護福祉士は、医師の指示や一定の研修修了、医療関係者との連携体制の確保といった要件を満たすことなく、その裁量のみで喀痰吸引等の医行為を実施することが認められている。
答えと解説を見る

正解:2

第44条の2の誠実義務は、利用者の個人の尊厳の保持と自立した日常生活の実現を目的として、常に利用者の立場に立って業務を行うことを介護福祉士に求めている。

  • 1:介護福祉士は名称独占の資格であり、業務独占ではないため、無資格者が介護業務自体を行うことは禁止されていない。
  • 2:第44条の2(誠実義務)の内容として正しい。
  • 3:秘密保持義務(第46条)は介護福祉士でなくなった後も継続し、違反すれば罰則の対象となる。
  • 4:介護福祉士に定期更新研修による資格失効の制度は設けられていない。
  • 5:喀痰吸引等の医行為を行うには、研修修了や医師の指示、医療関係者との連携体制の確保など一定の要件を満たす必要があり、裁量のみでの実施は認められていない。

出典の該当箇所:社会福祉士及び介護福祉士法第44条の2(誠実義務)

問17人間関係とコミュニケーション

対人援助における「自己覚知」に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 自己覚知とは、援助者が自分自身の価値観や感情の傾向を客観的に理解し、それが利用者への対応に影響を与えることを自覚することである。
  2. 自己覚知とは、利用者自身が抱える生活課題や内面の思いを言語化し、面接の場面において援助者に率直に伝えることができるようになることをいう。
  3. 自己覚知とは、援助者が自身の生育歴や家族関係、過去の失敗経験などを利用者に詳しく説明し、それによって利用者からの共感や親近感を得ようとする関わり方をいう。
  4. 自己覚知とは、援助者が自分自身の判断や経験のみを絶対的なものとして信頼し、他職種のカンファレンスでの意見や助言を参考にせず援助方針を貫くことをいう。
  5. 自己覚知とは、利用者との援助関係において援助者が主導権を握り、利用者の意向を確認せずに援助の方向性を一方的に決定していく姿勢をいう。
答えと解説を見る

正解:1

自己覚知は、援助者自身の価値観・感情の偏り・思考の癖などを客観的に把握し、それが援助関係に及ぼす影響を自覚することであり、専門的援助の前提となる。

  • 1:自己覚知の定義として正しい。
  • 2:これは自己覚知ではなく、利用者自身の自己理解や自己開示に関する内容であり、援助者の内省とは異なる概念である。
  • 3:援助者側の自己開示の一種を述べているが、自己覚知の定義そのものではなく、内省による自己理解とは異なる。
  • 4:自己覚知は独善を戒め、自らの偏りを自覚する概念であり、他職種の意見を参考にしないこととは無関係である。
  • 5:自己覚知は援助者自身の内省を指すものであり、援助関係における主導権の一方的な掌握とは無関係である。

出典の該当箇所:自己覚知(対人援助技術の基礎理論)

問18介護の基本

介護福祉士に課せられる秘密保持義務に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 秘密保持義務は、介護福祉士としての登録を受けて実際に業務に従事している期間内にのみ適用され、退職や登録抹消によって介護福祉士でなくなった後は適用されなくなる。
  2. 正当な理由なく、その業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならず、介護福祉士でなくなった後においても同様である。
  3. 秘密保持義務に違反した場合であっても拘禁刑や罰金といった刑事罰則は設けられておらず、行政上の措置として資格の登録取消しのみが行われる仕組みとなっている。
  4. 秘密保持義務は家族に対しては適用されないため、本人の同意を得ることなく家族に対して利用者の個人情報を自由に伝えてよい。
  5. 秘密保持義務は、本人の同意がある場合や法令に基づく場合であっても解除されることのない、例外を認めない絶対的な義務として定められている。
答えと解説を見る

正解:2

社会福祉士及び介護福祉士法第46条は、退職後も秘密保持義務が継続する旨を規定しており、違反には罰則(1年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金)が定められている。

  • 1:誤り。退職(登録抹消)後も秘密保持義務は継続する。
  • 2:正しい。第46条のとおりである。
  • 3:誤り。1年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金という罰則規定が設けられており、登録取消しのみにとどまらない。
  • 4:誤り。家族であっても本人の同意なく安易に個人情報を伝えることは適切でなく、義務の対象外とはされない。
  • 5:誤り。「正当な理由なく」という要件があり、正当な理由がある場合(本人の同意や法令に基づく場合等)は開示が認められ得る。

出典の該当箇所:社会福祉士及び介護福祉士法第46条

問19介護過程

介護過程の一連のプロセスに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 介護過程は、まず支援を実施し、その後に評価を行い、評価結果をもとにアセスメントを実施したうえで、最後に計画を立案するという順序で進められる。
  2. 介護過程では、情報収集や分析にあたるアセスメントの段階を省略し、利用者との簡単な会話のみを踏まえて計画立案からプロセスを開始することが標準的な手順である。
  3. 介護過程は、アセスメント→計画立案→実施→評価という順序で展開され、評価の結果は再びアセスメントや計画の見直しに反映される。
  4. 評価は介護過程における最終段階であり、そこで得られた結果を以後のアセスメントや支援計画の見直しに反映させることは想定されていない。
  5. 計画立案の段階では、利用者本人やその家族の意向を確認する手続きは求められておらず、介護福祉士が専門的観点のみに基づき単独で目標を設定する。
答えと解説を見る

正解:3

介護過程はアセスメント(情報収集・分析)→計画立案(目標設定・具体的支援内容の決定)→実施→評価という循環的なプロセスで展開される。

  • 1:誤り。順序が逆であり、アセスメントが最初の段階となる。
  • 2:誤り。アセスメントは生活課題を把握するための不可欠な最初の段階である。
  • 3:正しい。
  • 4:誤り。評価結果は次のアセスメントや計画の修正に活用される循環的な仕組みである。
  • 5:誤り。計画立案では利用者本人の意向を確認し、それを反映させることが基本である。

出典の該当箇所:介護過程の展開(アセスメント・計画立案・実施・評価)

問20医療的ケア

次のうち、認定特定行為業務従事者が実施できる「喀痰吸引」の範囲として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 口腔内・鼻腔内は咽頭の手前までを目安とし、気管カニューレ内部はカニューレの内部にとどめ、それより奥まで吸引カテーテルを挿入しない範囲で行う
  2. 鼻腔内吸引では、吸引カテーテルを咽頭より奥、場合により食道の手前まで挿入して確実に痰を除去する
  3. 気管カニューレ内部の吸引に際しては、まずカニューレを一時的に外して新しいものに交換してから行う
  4. 口腔内吸引では、多少歯や粘膜を傷つけても構わないため、吸引圧を最大に設定して短時間で行う
  5. 気管カニューレを介さない気管の開口部(気管切開孔)に、直接吸引カテーテルを挿入して痰を吸引する
答えと解説を見る

正解:1

認定特定行為業務従事者が実施できる喀痰吸引は、口腔内・鼻腔内は咽頭の手前まで、気管カニューレ内部はカニューレの内部にとどめる範囲に限られる。それより奥に及ぶ吸引は気道損傷等の危険があり、看護職員・医師が対応する範囲となる。

  • 1:正しい。咽頭より奥やカニューレより奥に及ぶ吸引は、出血や気道損傷等のリスクが高く認定特定行為業務従事者の範囲外である
  • 2:誤り。咽頭より奥までの挿入は危険を伴い、認定特定行為業務従事者が行える範囲を超える
  • 3:誤り。カニューレの交換は医行為であり、介護福祉士が行うことはできない
  • 4:誤り。吸引圧を必要以上に高くすることは粘膜損傷や出血の原因となり、適切な手技ではない
  • 5:誤り。気管カニューレを介さない気管切開孔への直接の吸引カテーテル挿入は、認定特定行為業務従事者の実施範囲に含まれない

出典の該当箇所:喀痰吸引等研修テキスト(喀痰吸引の範囲)

続きはアプリで

ここに載せたのはごく一部です。カイゴトールでは、分野別の演習・本番形式の模擬試験・間違えた問題の復習まで、1つのアプリで進められます。

介護福祉士国家試験のほかの情報

介護福祉士国家試験の総合ガイド(日程・受験資格・合格基準・合格率)