介護福祉士国家試験の合格率と合格基準点【第1回〜第38回の推移】
「合格率7割なら楽な試験?」――そう単純ではありません。合格率は制度改正のたびに大きく動き、合格基準点は毎年変わります(第38回は125点満点中64点、第35回は75点)。厚生労働省が公表している試験結果・合格基準の資料をもとに、38回分の推移と、受験資格別・年齢別の合格率まで整理しました。
最終更新:2026年7月29日
1結論:直近5回は70〜84%
| 回 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 合格基準点 (125点満点) |
|---|---|---|---|---|
| 第34回 | 83,082 | 60,099 | 72.3% | ― |
| 第35回 | 79,151 | 66,711 | 84.3% | 75点 |
| 第36回 | 74,595 | 61,747 | 82.8% | 67点 |
| 第37回 | 75,387 | 58,992 | 78.3% | 70点 |
| 第38回 | 78,469 | 54,987 | 70.1% | 64点 |
合格基準点が下がった年は、問題が難しかった年です。第38回の64点は、直近では最も低い水準です。「6割(75点)取れば安心」と思っていると年によっては足りず、逆に難しい年は64点でも合格になります。数字を追うより、どの年でも7割を安定して取れる状態を目指すのが結局は近道です。
出典:厚生労働省「第38回介護福祉士国家試験合格発表について」(参考/合格基準及び正答)/第37回の合格基準(PDF)/第36回の合格基準(PDF)/第35回の合格基準(PDF)
2第1回から第38回までの合格率
介護福祉士国家試験は昭和63年度の第1回から続いています。厚生労働省が合格発表時に公表している推移資料から、全38回を一覧にしました。
| 回 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 第1回 | 11,973 | 2,782 | 23.2% |
| 第2回 | 9,868 | 3,664 | 37.1% |
| 第3回 | 9,516 | 4,498 | 47.3% |
| 第4回 | 9,987 | 5,379 | 53.9% |
| 第5回 | 11,628 | 6,402 | 55.1% |
| 第6回 | 13,402 | 7,041 | 52.5% |
| 第7回 | 14,982 | 7,845 | 52.4% |
| 第8回 | 18,544 | 9,450 | 51.0% |
| 第9回 | 23,977 | 12,163 | 50.7% |
| 第10回 | 31,567 | 15,819 | 50.1% |
| 第11回 | 41,325 | 20,758 | 50.2% |
| 第12回 | 55,853 | 26,973 | 48.3% |
| 第13回 | 58,517 | 26,862 | 45.9% |
| 第14回 | 59,943 | 24,845 | 41.4% |
| 第15回 | 67,363 | 32,319 | 48.0% |
| 第16回 | 81,008 | 39,938 | 49.3% |
| 第17回 | 90,602 | 38,576 | 42.6% |
| 第18回 | 130,034 | 60,910 | 46.8% |
| 第19回 | 145,946 | 73,606 | 50.4% |
| 第20回 | 142,765 | 73,302 | 51.3% |
| 第21回 | 130,830 | 67,993 | 52.0% |
| 第22回 | 153,811 | 77,251 | 50.2% |
| 第23回 | 154,223 | 74,432 | 48.3% |
| 第24回 | 137,961 | 88,190 | 63.9% |
| 第25回 | 136,375 | 87,797 | 64.4% |
| 第26回 | 154,390 | 99,689 | 64.6% |
| 第27回 | 153,808 | 93,760 | 61.0% |
| 第28回 | 152,573 | 88,300 | 57.9% |
| 第29回 | 76,323 | 55,031 | 72.1% |
| 第30回 | 92,654 | 65,574 | 70.8% |
| 第31回 | 94,610 | 69,736 | 73.7% |
| 第32回 | 84,032 | 58,745 | 69.9% |
| 第33回 | 84,483 | 59,975 | 71.0% |
| 第34回 | 83,082 | 60,099 | 72.3% |
| 第35回 | 79,151 | 66,711 | 84.3% |
| 第36回 | 74,595 | 61,747 | 82.8% |
| 第37回 | 75,387 | 58,992 | 78.3% |
| 第38回 | 78,469 | 54,987 | 70.1% |
| 総計 | 3,025,557 | 1,782,141 | 58.9% |
出典:厚生労働省「第38回介護福祉士国家試験の受験者・合格者の推移」(PDF)
2つの大きな段差
- 第24回(63.9%)――それまで4〜5割台で推移していた合格率が、ここで一気に6割台へ上がりました。
- 第29回(72.1%)――受験者数が152,573人(第28回)から76,323人へ半減し、合格率は57.9%から72.1%へ跳ね上がりました。この回から実務経験ルートに「実務者研修の修了」が必要になっています(平成19年の法改正で決まり、2度の延期を経て平成28年度=第29回から適用)。受験前に6か月程度の研修を修了した人だけが受験するようになったことが、合格率の水準を押し上げたと考えられます。
- 第35回の84.3%が過去最高で、以降は82.8% → 78.3% → 70.1%と3年続けて下がっています。
出典(実務者研修の義務化の経緯):厚生労働省「介護福祉士国家試験に関する参考資料」(PDF)
3受験資格別――どのルートで受けるかで30ポイント違う
第38回の合格者内訳です。同じ試験でも、どの立場で受けるかによって合格率は大きく異なります。
| 区分 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 福祉系高等学校(専攻科を含む) | 2,024 | 1,839 | 90.9% |
| 保護施設、児童福祉施設の介護職員等 | 479 | 423 | 88.3% |
| 障害者福祉施設の介護職員等 | 6,381 | 5,395 | 84.5% |
| 訪問介護員等 | 9,706 | 7,985 | 82.3% |
| その他の社会福祉施設の介護職員等 | 48 | 34 | 70.8% |
| 医療機関の看護補助者等 | 5,355 | 3,631 | 67.8% |
| 老人福祉施設の介護職員等 | 41,704 | 28,041 | 67.2% |
| 介護老人保健施設、介護医療院の介護職員等 | 4,892 | 2,989 | 61.1% |
| 介護福祉士養成施設 | 7,824 | 4,603 | 58.8% |
| 総数 | 78,469 | 54,987 | 70.1% |
- 最も高いのは福祉系高校ルートの90.9%。授業として体系的に学んだうえで在学中に受験するためと考えられます。
- 最も低いのは養成施設ルートの58.8%。しかもこのルートの合格率は第30回88.0% → 第34回65.3% → 第36回71.5% → 第38回58.8%と長期的に低下しています。養成施設卒業者には卒業後5年間の経過措置があり、在学中の受験が「必須」ではない状態が続いていることと無関係ではない可能性があります(経過措置の詳細はこちら)。
- 受験者の過半数(41,704人)を占める老人福祉施設の介護職員等は67.2%で、全体平均をやや下回ります。受験者数がいちばん多い層が、いちばん平均に近い数字を作っていると読めます。
出典:厚生労働省「第38回介護福祉士国家試験合格発表について」(参考・PDF)/ルート別の推移は「介護福祉士国家試験に関する参考資料」
4合格者の年齢――41歳以上が全体の46%
| 年齢区分 | 第38回 合格者数 | 割合 | (参考)第37回 |
|---|---|---|---|
| 〜20歳 | 3,702 | 6.7% | 4,209(7.1%) |
| 21〜30歳 | 15,727 | 28.6% | 15,746(26.7%) |
| 31〜40歳 | 10,043 | 18.3% | 10,831(18.4%) |
| 41〜50歳 | 11,970 | 21.8% | 13,659(23.2%) |
| 51〜60歳 | 10,927 | 19.9% | 11,769(20.0%) |
| 61歳〜 | 2,618 | 4.8% | 2,778(4.7%) |
| 計 | 54,987 | 100% | 58,992(100%) |
41歳以上の合格者が25,515人(46.4%)を占めます。61歳以上の合格者も2,618人。働きながら、あるいは家庭と両立しながら受験する人が多数派の試験です。「若いうちでないと難しい」という試験ではありません。
出典:厚生労働省「第38回介護福祉士国家試験合格発表について」(参考・PDF)(割合は公表値。41歳以上の合計は当サイトによる算出)
5合格基準――「総得点60%程度」だけでは足りない
合格基準は2つあり、両方を満たす必要があります。第38回の合格基準(厚生労働省発表)は次のとおりでした。
- 総得点125点に対し、得点64点以上の者(総得点の60%程度を基準とし、問題の難易度で補正。配点は1問1点)
- ①を満たした者のうち、次の11科目群すべてにおいて得点があった者
①人間の尊厳と自立、介護の基本/②社会の理解/③人間関係とコミュニケーション、コミュニケーション技術/④生活支援技術/⑤こころとからだのしくみ/⑥発達と老化の理解/⑦認知症の理解/⑧障害の理解/⑨医療的ケア/⑩介護過程/⑪総合問題
パートごとの合格基準点(第38回)
第38回から、11科目群をA・B・Cの3パートに分けたパートごとの判定が行われています。各パートの合格基準点は、全パートを受験した全受験者の各パートの平均得点の比率を使って、全体の合格基準点を按分して決まります。
| パート | 配点 | 第38回の合格基準点 | 第38回のパート合格者数 |
|---|---|---|---|
| Aパート(4科目群) | 60点 | 32.23点 | 3,935人 |
| Bパート(5科目群) | 45点 | 20.43点 | 1,509人 |
| Cパート(2科目群) | 20点 | 11.33点 | 6,181人 |
パート合格者数は一部重複しています(複数パートで基準を満たした方がいるため)。合格基準点は毎年計算し直されるため、パートごとの基準点も毎年変わります。
出典:厚生労働省「第38回介護福祉士国家試験の合格基準及び正答について」(PDF)/『第39回 受験の手引』14〜15ページ/試験センター「パート合格(合格パートの受験免除)について」
6都道府県別の合格者数(第38回)
受験時の住所による集計です(合格率ではなく合格者数)。
| 都道府県 | 合格者 | 都道府県 | 合格者 | 都道府県 | 合格者 |
|---|---|---|---|---|---|
| 北海道 | 2,234 | 石川県 | 434 | 島根県 | 240 |
| 青森県 | 524 | 福井県 | 308 | 岡山県 | 853 |
| 岩手県 | 455 | 山梨県 | 385 | 広島県 | 1,149 |
| 宮城県 | 973 | 長野県 | 754 | 山口県 | 467 |
| 秋田県 | 347 | 岐阜県 | 933 | 徳島県 | 303 |
| 山形県 | 380 | 静岡県 | 1,584 | 香川県 | 412 |
| 福島県 | 644 | 愛知県 | 3,165 | 愛媛県 | 586 |
| 茨城県 | 1,143 | 三重県 | 721 | 高知県 | 237 |
| 栃木県 | 718 | 滋賀県 | 662 | 福岡県 | 2,129 |
| 群馬県 | 853 | 京都府 | 1,327 | 佐賀県 | 331 |
| 埼玉県 | 3,570 | 大阪府 | 5,130 | 長崎県 | 720 |
| 千葉県 | 2,865 | 兵庫県 | 2,634 | 熊本県 | 662 |
| 東京都 | 5,097 | 奈良県 | 658 | 大分県 | 564 |
| 神奈川県 | 4,235 | 和歌山県 | 433 | 宮崎県 | 484 |
| 新潟県 | 807 | 鳥取県 | 162 | 鹿児島県 | 772 |
| 富山県 | 406 | ― | ― | 沖縄県 | 537 |
| 計 | 54,987 | ||||
ちなみに介護福祉士の登録者は2,061,643人(令和8年1月末現在)。すでに200万人を超える資格です。
出典:厚生労働省「第38回介護福祉士国家試験合格発表について」(参考・PDF)(「その他」=外国に住所を有する者は0人)
7合格率の数字を、どう自分に当てはめるか
- 「7割が受かる試験」ではなく「7割が受かる母集団」です。受験者の大半は3年以上の実務経験と実務者研修を修了した人か、養成課程を修めた人です。受験資格を得た時点で、すでに一定の選抜がかかっています。
- 合格基準点は毎年変わります。直近4回で64点〜75点と11点の幅があります。過去問で「75点取れたから大丈夫」とは言えません。
- 0点の科目群を作らないことが最優先です。総得点が基準を超えていても、1科目群でも0点なら不合格です。出題数の少ない科目群ほど危険です。
- 不合格でも、パート単位で積み上げられるようになりました。第38回でパート合格に該当した方は、第39回で不合格パートのみを受験できます(有効期限は翌年・翌々年まで)。
8問題集アプリ「カイゴトール」
「0点の科目群を作らない」は、独学でいちばん管理しにくい部分です。介護福祉士国家試験対策アプリ「カイゴトール」では、本試験と同じ形式で科目群ごとの到達度が見えるようにしています。
- オリジナル問題875問(13科目を網羅)/本試験と同じ125問の本番形式模擬試験
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- パート合格制度に対応――合格済みパートを記録すると、残りのパートだけに絞って出題できます
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出典・参考にした公式発表
- 厚生労働省「第38回介護福祉士国家試験合格発表について」――受験者数・合格者数・合格率、受験資格別/年齢別/都道府県別の内訳、登録者数、パート別合格者数
- 「第38回介護福祉士国家試験の受験者・合格者の推移」(PDF)――第1回〜第38回の受験者数・合格者数・合格率、総計
- 「第38回介護福祉士国家試験の合格基準及び正答について」(PDF)――合格基準点64点、11科目群、パート別合格基準点
- 第37回の合格基準(70点)/第36回(67点)/第35回(75点)(各PDF)
- 厚生労働省「介護福祉士国家試験に関する参考資料」(PDF)――実務者研修義務化の経緯、ルート別の受験者数・合格率の推移、パート合格導入の考え方
- 試験センター「合格基準」/同「パート合格(合格パートの受験免除)について」